9月22日 リマ日秘会館大ホール FRVトリオ公演

9月22日

いよいよ、ペルー公演の日を迎える。

 

アメリカから出始めた咳がひどくなって、いつもの気管支炎状況になってきた。

気管支が弱くて、毎回、熱や咳になる。

織原君のように、たくさん食べてよく寝られればよいのだが、いろいろやることもあり、心配もあり、責任感もあり。

そえゆえ、彼のような明るく元気でのびのびしている青年がいることが、気持ち的に助かる。

体力、気力の海外ツアー、その分、喜びも大きく深い。


日秘会館へ。

ペルー日系人協会のコミュニティ会館だ。

日本料理店、K'tana、刀でお昼兼朝ごはん。

全員まとまって、トンカツ定食を頼む。

幕の内ご膳が来て、薄い小さめのトンカツ、ポテトサラダ、野菜のかき揚げ天、鶏と野菜炒めなど、全部食べられる量で、ありがたい。

日本茶で盛り上がる。

会館の3階にある、デイケア施設(Centro Receacional Ryoichi jinnai)訪問。

日系人の高齢者の方々が、椅子にすわって、前を向いている。

白板に、日本の曲の歌詞が書いてあり、練習していたらしい。

白髪の頭を見て、母もこの中にいたら、と思うと胸にこみあげるものがあり。

Nakamatsuセンター長に、母も老健施設にいました、と伝えると、慈悲あふれるお顔で、そうでしたかと話される。

岩瀬立飛は、Danielのカホンを借りて、アップライトピアノの私のそば、カホンに座る。


織原良次は、ベースを持って間に立つ。

紅葉、皆さんが一緒に歌いだす。

今日公演でやる日本の曲を次々に演奏すると、歌ってくださる。

「りんご追分」ファンクのリズム、Tappyが景気良く、カホンを叩くと、一番前に座っているお婆様が、歩行器に手をかけて立ち上がる。

スタッフの方が駆け寄り手助けすると、歩行器を両手でつかみながら、歩き出して踊りだす。

そして、「ずいずいずっころばし」、立って前に来た皆さんが、踊りだす。

後ろの方の席の方もニコニコと立って手拍子。

私は、ピアノから立ち上がって、前に出て、ピョンピョン、跳ねた。

そうする気持ちに溢れた。

皆さんと目が会ってニコニコ、幸せな気持ち。

スタッフの女性の皆さんも周りを囲んでニコニコ。

どこでも、乗ったら大ノリだ。

Tappyは、ニコニコ顔でカホンを叩きながら、私のピアノアドリブソロを、「まだまだぁ!」と煽る。

織君も身体を動かして乗っている。

楽しい、楽しい。

演奏終了後、後ろのテーブルで、皆さんと同じ、小さい丸いパンにハムとチーズが挟まったおやつとお茶を頂戴して、センター長と、お婆様お一方とバンド3名。

カホンが大好き、とTappyの隣に座ってお話しするお婆様、チャーミング。

記念撮影、話が弾む。

こんなに盛り上がるとは、と、歩行器のお婆様は普段、ちょっと気難しくて動かない方だそうで、その方が踊りだしたので驚いたとのこと。

 公演前に、パワー全開で、身体が温まった。

お名残惜しい気持ち、お別れの挨拶をして、大ホールへ移動。

昨日に続き、今日は公演進行通りにリハ。

真剣に、そして楽しくリハをする。

昨日と今日で、ゲストのペルーミュージシャンと意思疎通が深くなった。

休憩時間、Tappyは、Danielに、昨夜観たダンスの音楽、リズムについて質問して教えてもらっていた。

地方により異なる音楽、リズム、ダンス、Tappy喜ぶ。

日秘会館大ホール公演。

FRV!がモントレー・ジャズ・フェステイバルへ参加する事を知ったペルー日系人協会からの再度の招請を頂き、今年7月にリマ~サンフランシスコ便を就航したランペルーなどペルー企業の協力を頂いて実現した公演である。

19時半、オンタイムで公演スタート。

会場は満員御礼、大感激。

「早春賦」(Cancion de una  primavera temprana)

トリオで、バイヨンからスイングへリズムを変えて、熱の入ったジャズ演奏。

あたたかい拍手。

「At the end of the day」(Al final del dia) (Cancion de cuna de Mischa)子守唄。


ちょいクラシックのメロディのワルツを、だんだんジャズのエッセンスフレーズを入れて、美しモードからリズミックモードへ展開する。

トリオのまとまった聴かせどころだ。

さあ、ここから、今回の公演のテーマ「Estaciones del Japon al Ritmo del
Jazz-Primavera」(ジャズで奏でる日本の四季-春)に入っていく。

日本の美しい四季、しみじみと季節を感じる日本人の心を、4つの曲に表現した。

秋「紅葉」 (Hojas de otono)

岩瀬立飛が、落ち葉を踏み、誰もいない山の中へはいっていく情景を、シンバルの繊細な音で表現、会場静まる。

ペンタトニックのメロディのイントロ、秋の寂しさと明るい色の紅葉の美しさ。

メロディを崩さずに弾く、コードはジャジーだ。

ピアノのアドリブ1コーラス、しずかにテーマに戻り、童謡に使われるような後奏で終わると、ドラムスのサラサラという音のみ残る。

会場、ややあって静かににそしてだんだん大きくなる拍手。

冬「水晶の滝」(Cascada  de cristal) 遠藤律子オリジナル。

冬になると、山の滝が凍る、その音、人知れず季節は移り行き、冬の眠りの中、滝は水晶になる。

カチンとした4度の音程の繰り返しのイントロ。

音で、景色も表現できる。

リディアンスケールで、冷たい感じを出したメロディ、ドリアンスケールの切ないマイナーメロディの積み重ねで、冬に動きをとめる滝を表した。

織原良次が、フレットレスベースをいかしたファンタスティックなアドリブソロ。

会場、冬の日本の山の中になる。

そして春「さくらさくら」Sakura, Sakura Melodia tradicional del Japon

ペルーは、今、早春、この季節に合わせて、春を主題に日本の四季を伝える企画だ。

とても日本的なイントロ、座敷から三味線の音が聴こえる、障子の外は、桜、桜。

これは、アドリブをせずに、1コーラス後、とおりゃんせとのメロディを2小節ずつつないで、桜の下で遊ぶ子供達を想う。

日本人は、しみじみと季節を味わう。

夏「浜辺の歌」(Cancion de playa)

この曲は、ワルツだ。

ペルーは、ワルツ(vals)が大変にポピュラーだ。

そこで、カホン奏者のDaniel Antonio Leon Gonzalesを呼び上げる。

日本の曲を、ペルーのvalsのリズムでジャズにする。

前3曲と変わって、リズミックに展開するアドリブソロ、Tappyと顔を見合わせて、フレーズの応酬を楽しむ。

ピアノソロのあと、Danielのカホンと私の4barsソロ。

リズムの刻みのやり取りで、お客様から拍手が沸き起こる。

次の曲は、

りんご追分(Bifurcacion/separacion de la manzana) 

ファンクのリズムで、ベースメロディで演奏、ソロもベースで、民謡調の雰囲気を出す。


途中止まって、皆さんに歌をお願い、会場から、えー、えー、えー、えー、と歌声が聴こえる。

エンディングは、打楽器乱れ打ちで、派手だ。

ライブの熱い気持、いやがうえにも高まる。

「Siciliana」フォーレの曲。

Gitarista、Percy Alejandro Bravo de l Pinoを紹介する。

最初に、フリーソロで弾いてもらって、カホンとドラムスがルンバを刻みだす。

メロディは、メランコリック、リズムは深く熱い。

私が、ru,ru,ru,Rumba!と、頑張って巻き舌で言うと、会場大笑い。

Percyのクラシックで培った品の良い美しいギターソロに続いて、私がノリノリめでアドリブをする。

「家族」に収録した曲。

ジャズスタンダードといっても、アメリカのスタンダードであり、ジャズファンのみならず世界的に知っている人が多いとなると、クラシックだ。

よく知られているTemaを、リズム良くアレンジして演奏すると、ジャジーなアドリブも聴きやすく聴いていただける。

ピアノソロのあとは、カホンとドラムス、カホンのDanielをフィーチャーして、ソリッドで重く豊かなカホンソロをお楽しみいただく。

テーマに戻ると大拍手、自在に打楽器ソロで世界が広がったところに、良く知られるメロディが戻って来るアレンジが受け入れられて、うれしい瞬間だ。

テーマの最後は、E♭で私のカデンツァ、D7でPercyのカデンツァでつなぎ、最後は劇的華やかなリズムのビッグエンディング。

会場、大いに沸き、熱くなってきた。

「おかえり」(Bienvenido de vuelta)

ギターが入って、ポップなテイストも加わり、ピアノでメロディを楽に弾き始める。

Percyのギターメロディ、ちょっと懐かしいクロスオーバーナンバーのようで、新鮮。


リマの皆様に、この家族をテーマにした曲をお聴かせする機会を得て、なんとも幸せ。


最後の曲は、「Inspiration」 (Inspiracion)

速いテンポのラテンジャズ、5人総がかりの大曲だ。

ピアノとギターでメロディを分厚くして奏でる。

スピードに乗って、アドリブ開始。

ギターのソロは、優しい心のPercyさんの人柄が出た、エレガントな内容。

スリルがあるインタールードを経て、私のピアノソロは、ゴリゴリラテンジャズ。

最後は、背筋力頼みのラテントゥンバオ。

そして、織原良次の新しいセンスのベースソロ、岩瀬立飛の堂々たるドラムソロへと展開する。

岩瀬立飛の2-3、2クラベの後のキメフレーズで、テーマの山のところへダルセーニョ、熱い熱い演奏。

火と燃えて演奏終了、大拍手!

嬉しさ一杯、有難うございます。

vicepresidente de la APJ(ペルー日本人協会)Luis Huemura氏がステージに上がって、花束を下さった。

さあ、ここからアンコール。

 Mi Peru (cancion criolla peruana)
素晴らしい歌。
ペルーの豊かな海山を讃える歌だ。
PercyとDanielが、ペルー伝統の奏法でイントロを始めると、会場雰囲気最高になる。

曲が始まると、会場大合唱、私も一緒に大きな声で歌った。
Zui zui zukkorobashi (Cancion infantil japonesa)
この歌詞をご存知の方も多くいらして、私が歌いだすと一緒に歌ってくださって、バンドはファンクのリズムで盛り上げる。
ギターソロのあと、Tappyの発案で、最後のテーマは、日本の盆踊りのリズム(Bon
Danceと言って、世界にも知られているのだ)にチェンジ、これは良い盛り上がり。
続いて、東京音頭、日本語の歌詞とスペイン語の歌詞をシャウトする。
「ペルー、オレ!」
お客様をステージに呼び上げると、登ってきてダンス、ダンス。
客席に降りて、会場を回ると、後について来てくださって、まわりながらお誘いすると、ニコニコしながら、一人二人と客席から、踊りの輪に入って、段々早くなるリズムとともに、会場をぐるぐる走り巡る。
近くで、お客様と顔を合わせると、「オレ、オレ、オレ、ペルー!」と歌ってくださる。

大盛り上がり、めでたいめでたい。
コンサート終了後、会場の外に行こうとすると、沢山の方々に、抱きしめられて、おめでとう、とお声をかけて頂く。
こちらでは、コンサートが良かったという事を、おめでとう、と言う言葉で表現して下さるのだ。
会場入り口で、トリオ3名でお客様にご挨拶。
若い青年が、「あなたの曲、水晶の滝、美しくて気に入った」と、声をかけてくださって、なんとも嬉しいこと。
お客様のカメラ、メディアのカメラで、たくさん記念撮影。
ポスターにサインをする。
幸せな時間。
音響担当の方が、片付け中のステージに来て、コンサート楽しく、よかった、と嬉しいお言葉。
皆々様に、感謝、感謝。
楽屋をかたづけて、PercyとDanielに感謝の言葉を述べて、握手して、会場を後にする。

昨年来た時に、織原良次が行ったことのあるレストランへ、遅くに開いていて助かった。

コンサート成功に、乾杯、二人はビール、私はハーブティー。
鶏とたくさんの野菜の済んだスープ、鶏の出しであっさりとおいしく、コンサートの余韻の高揚感と心地よい疲れであまり食欲がなかったが、おいしく食べられた。
デザートに、ペルーの果物を皆で少しずつ分けて食べた。
良い一日だった。
無事、公演ができて、ほっと一安心。

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