父と母と歌う歌。

9月26日
14時に出発、タクシー、電車、タクシーを乗り継いで、父のお墓参り。
お彼岸の時に行けなかったので今日になった。
毎回、お墓参りも母の病院見舞いも、数日前から重い気持ちになる。
父が亡くなるまでの悲しいこと、母の病気の進行で悲しいことの積み重ねに向かい合うからだ。
タクシーの運転手さんにお願いして待っていてもらう。
妹たちがお彼岸に供えた花がまだきれいに咲いていて、父のお墓はにぎやかだ。
妹、弟、そして私の3つの家が、花を持って行くのでいつもお花でいっぱいだ。
先に活けてある花を整えて、お水を足して私の花も加えた。
お線香をあげて、父に語りかける。
と言っても、毎晩寝る前に、空を見て父に話しているので、これと言って特に新しく話すことはない。
「これからおかあさんのところに行くから、おとうさんも一緒に行こうね」と言う。
偶然なのだが、父のお墓と母がいる病人が近いのだ。
タクシーに戻って、母の病院へ。
母が車イスに乗って看護師さんに車イスを押されて出てくる。
私を見て、不安そうな顔。
私はもう慣れたので、すぐに歌を歌いだした。
紅葉、母は2秒くらいでニコッと笑って目に涙、一緒に歌いだす。
手を差し伸べると細く骨だけになった両手を私の手に乗せた。
休みなく、秋の歌、冬の歌、春の歌、夏の歌、また紅葉に戻って歌う歌う。
母はどんどん元気な顔になって、涙を拭きながら歌っている。
今日は父も来ているかなと、父と母がハモッて歌っていた「埴生の宿」を歌いだすと、
私も涙、嬉しくて悲しい涙。
ついに、かごめかごめ~ずいずいずっころばしメドレー、これはライブで皆さんと盛り上がっている歌。
歌う母の顔は、子供になっていた。
歌はすばらしい。
短い時間だが、充分納得の幸せな時だった。
楽しいわ、という母の言葉に心をあたためて、母を戻した。
会うまで、重い気持ちだったが、帰りはちょっとさっぱりと明るい気持ち。
タクシーを待つ病院正面玄関のベンチ、涼しい風に吹かれて秋になりつつある郊外の景色を見ていた。
最初は、父と母は実家にいた。
母が施設に入って父は実家にいた。
母が病院にいて父が病院に入った。
母は病院にいて父がお墓に入った。
どの段階でも、会いに行った。
昔はお菓子を持って行って料理を作って歌を歌った。
施設にも病院にも、お茶とお菓子を持って行って歌を歌った。
今は、お墓にお花を持って行って、病院には何も持って行けないので何も持たず行って、歌を歌っている。
帰宅して、ほっと一息、生姜紅茶とムラサキ芋がたくさん入ったお菓子。
ピアノで、Toquio Bossa Trioの曲アレンジ続行、なかなかまとまらない。
プールで500メートル。
落語の稽古。
 
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