父の通夜

5月19日
早起きして、美容院へ。
和服を着るため、ショートカットにした。
妹の車で一緒に葬祭場へ15時過ぎ到着、雨。
湯かんと納棺の儀に出席。
最後の、おしめり、言葉をかけながら、唇を水で湿す。
家族の立会いで、父は好きだった風呂に入れてもらって、洗髪してもらう。
家族も父の頭を洗った。
父の着ていた背広に着替えて、ほんの少し顔にお化粧。
背広が、服だけ置いてあるように見えて、やせたのだなあとわかる。
父は、きれいな顔をしていた。
呼吸に苦しんだ眉間のしわも消えて、穏やかにまるで昼寝しているように横たわっている。
起きてくるのでは、と思うと涙。
皆で父を御棺にそっと入れる。
大好物のお菓子をたくさん、弟奥さんが「おとうさん、これでおやつに困らないわね」優しい言葉。
父が母の手を取る母の誕生日の写真、今年の卒寿の写真、歌詞カードの包み等をまわりに入れて、賑やかになった。
こういう儀式を経て、家族の心は、別れの事実を納得していくのだろう。
18時から、通夜。
お心使いの美しいお花が飾られた祭壇を、ずっと見つめていた。
大事なお時間を下さって、雨の中、遠いところをお出での皆様。
お心が有難くて、皆様のご焼香を家族席から拝見しているうち、涙がとまらなくなる。
読経のあと、お坊さんが家族に話してくれた。
「日蓮さんの言葉、春は花、夏は冷たい水、秋は紅葉、冬は雪 故人と過ごした日々を心に想うこと、これが仏の心である」
しみじみ、心に響いた。
ご会葬の方々がお帰りになった後、親族のお清めの席。
写真の父が、機嫌よく穏やかに皆を見ている。
この写真は、母が老健私設にいた時に、その近くのイタリアンレストランでお昼ごはんを食べた時に撮ったもの。
父は、母と一緒にいる時、とっても良い顔をしていた。
5月9日、母の病院から父の病院に移動して、父に、母の日の花束を母に上げた話をしたら、顔をくしゃくしゃにして喜んだ。
その父の顔を思い出す。
母に会いたかっただろう。
今日の、和やかであたたかい一夜。
 
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